1998年(平成10年)1月14日  水曜日    徳 島 新 聞   経 済           (朝刊)


農業法人の明日 −7−


勝浦郡勝浦町で菌床シイタケの生産・販売に取り組んでいる農事組合法人・勝浦椎茸生産組合
(谷内百合夫組合長、9人)。理事の島田和純さん(56)が案内してくれた培養室(広さ250平方b)には
みかん箱大のコンテナが十段近くも積み挙げられ、その数六千個

一つのコンテナには、おがくずに種菌を接種させた重さ2.5`の菌床ブロックが、5個ずつ詰められている。
総計6万個の菌床ブロックが、シイタケの生長を待つこと約120日間。ここでじっくりと培養されるわけだ。

同生産組合は、ほだ木によるシイタケ栽培を手掛けていた旧天川農産農事組合と、任意団体の
旧勝浦椎茸生産組合が合流し、95(平成7年)年8月、新たに発足。
林野庁の「山村活性化徳用林産物振興事業」の補助を受け、培養室などを備えた生産設備を生比奈地区に
建設した。現在の構成は理事4人を含め、出資者9人。


勝浦椎茸生産組合

高品質のものを

コンテナ栽培の狙いについて谷内組合長
(69)は「省力化、省スペースと、大量生産
の両立」と明快だ。「安価な輸入物に対応
するには、生産コストをできるだけ削減して
、しかも品質のいいものを作らねばならない
と思った」と説明する。

だが、当時はコンテナ栽培の成功例はなく
行政関係者からも先行きを危ぶむ声が出
されたと言う。谷内さんらが着目したのは、
培養室の天井を通常より2bほども高く取
ることだった。空気の循環スペースを十分
に取ることで、懸案の酸素不足を解消。
水分管理や照射量を確保し、発生率を
向上。シイタケ出荷・生産を軌道に乗せた。

現在は、年間に生シイタケ50dを生産し
売り上げは5千万円を越える。「天川農産
時代には20人で作業していたのを、
コンテナ導入によって8人前後で同じ作業
量を賄えるようになった」と胸を張る。










  複数の販路確保

販売面では「複数の販路を持つこと」が
谷内組合長らの持論。「市場のセリ売りと、
量販店向けの出荷。常に複数の販路を確保
することで、出荷先に対してもある程度の主
導権も握れる。またそのためにも大量生産が
必要となってくる。」と販売戦略を話す。

同組合では一層の省力化を進めるため、
来年6月までに栽培室内の菌床ブロック棚を
”キャスター方式”に取り替えることを計画。
組合長の次男で理事の谷内敏文(43)は
「収納個数が一気に3倍くらいに伸びる。
一ハウス当たりの空調費も削減できるし、
女性やお年寄りでも簡単に移動が可能に
なる」と展望する。

「他人と同じ事をしていたのではダメ。他人
の裏を行く発想の転換が大切。アイデア勝負
ですよ」と、谷内組合長は豪快に笑い飛ばした。
天井高くしコンテナ栽培

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